hide-okierabu’s blog

管理会社勤務23年間の実務経験を活かしてマンション管理の真実を公開し社会善へ向けて日本の旧体質を打破して行きたい為に開設致しました。

マンション:管理委託費

又久しぶりの投稿になります。

マンション管理に関わり約25年、大手デベロッパー系・中堅独立系・中小の管理会社と管理会社下請け業者のブローカー的一次下請・二次下請・三次下請、そしてマンション管理士として東京都や各区の行政と連携しマンション管理に関与して来ました。

言えば「ピン:キリ」を経験しハード面・ソフト面から私的に検証して来ました。

この世界はマンションを購入した区分所有者の団体を顧客に持ち営利行為を行う「素人:プロ」の面白い世界です。

デベロッパーの営業マンのリップサービスに乗せられ購入した個々が集まった奇妙な団体でもあります。一定期間は売買契約上の個別契約的なアフターサービスの保護(?)下にありますが、その期間を過ぎると「管理委託契約」下で団体として個別財産と集団的財産の保護をしていかなければなりません。マンション管理適正化法や区分所有法に縛られて・・・又民放・建築基準法・消防法・水道法・景観法・バリアフリー法・建替円滑化法・・・様々な「法」の制限下で維持管理・建替え等を検討・調整し履行していく、内情を知れば本当に複雑な「しがらみ」の中に置かれた団体組織(管理組合)です。

この団体の単純な法定点検やメンテナンスを行う過程を今回少し簡単に解剖して見ましょう。例えば「排水管洗浄工事」の受発注の流れは???

管理組合⇒管理会社⇒一次下請会社⇒二次下請会社が普通。

管理会社単価:3500円/戸

一次下請会社:2800円/戸(ブローカー的存在)

二次下請会社:2500~2400円/戸

*実は本当に現場に来ている業者は三次下請会社が多い。

三次下請会社:2200~2100円/戸

これが現状であり、消防設備点検や他の点検等もこのような仕組みで履行されている。

下請法や建築基準法で言われる「適正価格」とは一体何なのか?疑問を提唱し早10数年、未だに改善されないままである。

管理会社はデスク上の管理のみ、一次下請も同様、二次下請・三次下請がスケジューリングし、お知らせの配布・掲示を行うが現地管理員との調整も業者が行い管理会社のフロント担当や集中管理センターへ報告。又、報告書作成も管理会社のフォーマットを使い、管理会社の提出部数を作成し提出させられる。管理会社は下請法の支払い期限を盾に実施後の報告書・請求書の提出をタイムリーに要請する。スケジューリング⇒お知らせ作成⇒配布・掲示⇒予定変更受付⇒実施⇒報告書・請求書提出と末端業者実施業者には減額・減額に加えて様々な負荷業務が押し付けられている。

管理会社・一次下請業者が取るフィーは何の為に管理組合は支払っているのでしょうか?そもそも管理会社は基幹事務にしかメリットが無く、その他のハード面の履行に関してはH4.5年頃は技術・単価面の集約・調整・一般化に寄与していたが、現状では各専門業者のレベルは向上し情報共有もされているので、管理会社の方が業者に追従している状況で単純な力関係でマンション維持修繕部門に君臨し不用な管理費の出資を促しているように感じる。現場に常に背広で来る一次下請業者、リップサービスは得意だが祇実的見解を求めると口ごもるし、関連資格も有していない。

今後、「人の老い・建物の老い」が急激に進む中、管理組合の皆さま方に資産保全を行うには本当に管理会社でいいの?って聞きたいし「PM会社」に一度検討してもらうような新たな方法を模索して頂きたい。

又、PM会社も「管理業務主任者」やマンション管理、管理費・修繕積立金を検討し、非常に難しい話だが「修繕積立金供託機構」を検討する等して「高経年マンション」「スラム化」の対策等に一歩足を踏み入れて大々的なマンション管理に変化をもたらし、今後懸念される区分所有法の限界を早急に洗い出して、形式定期な「マンション管理士」の質的向上改善をさせるか「廃止」する勢いで検討して頂きたいものである。

マンネリ化した「マンション管理」が費用対効果が常時検討され緊張化し、高齢化し高齢者の年金等で管理に支出される管理費・修繕積立金が有意義且つ適格に活用される事を望みます。