建設業界24年問題がマンション大規模修繕工事に与える影響と管理組合の対策
建設業界24年問題がマンション大規模修繕工事に与える影響と管理組合の対策
建設業界2024年問題とマンション大規模修繕工事
「時間外労働の是正」 「現場の処遇改善」 「生産性の向上」
Ⅰ:マンションは住空間に対する工事である。
土日祭日、夜間等の工事は基本的に困難な状況下にある。
残業や労働時間の問題は他とは異なる性質を持つ。
新築やofficeビルと違い建設業界とは違う別の問題を抱えているように考える。
Ⅱ:上記を踏まえた「大規模修繕工事」の実態
・コストUP
人件費や材料費の高騰
必然的に価格競争的な業者洗濯をすると「品質」に影響がでる状況
コンサル会社・設計管理会社・施工管理会社・管理会社のフィーの下で実施業者の見積金額が見えない状況。
借入金をやむなく選択させられるケースが出始めている。
大規模実施時期(12年等)を修繕計画に記載されており、修正に総会決議等が必要で対応しにくくなっている。
コストオンリーになるケースも出始めている。
・業者選定
組合は殆ど専門的知識を有しておらず判断能力が欠如している。
専門委員会やマンション管理士等の意見に左右されやすい。
管理会社や設計管理会社等のコンサル的他地場の会社にお任せで見積内容及び仕様や金額を検証できない。
管理会社がアセットマネジメント的大規模修繕工事管理をするケースの様に透明性が確保できれば的確な判断が出来る可能性もある。
(実施工事金額を明確にし、管理会社やコンサル会社のフィーを明確にする)
建設業法や建築士法に関する専門的制約に関する知識に乏しく、管理会社・コンサル会社・設計管理会社・施工管理会社・施工実施会社とフルスペックで高額な金額で受注するケースがある。
・工程管理 品質管理 数量管理
殆ど関連会社の言いなりで主体的判断が出来ない状況
(天候不順 材料高騰 タイル張替等の時数清算他)
※施工実施会社(一人親方を含む)の直工費以外の「監理」「管理」「コンサル」のソフト面的費用が必要以上に加算され余計な負荷負担がのしかかっている面も否めない。
◆マンション管理士としての対応概要
・大規模修繕工事実施に至る経緯の再検証
調査診断の見直し
長期修繕計画の検証
・実施時期の検討
12年周期を念頭に置かないで既存塗膜の状況及び品質をメーカー等に確認。
修繕積立金の確認及び管理委託費の確認。
修繕周期の再検討(令和3年9月改訂に準じているか等)
材料メーカーの材質向上と国交省の12年周期の検証
(12・24・36⇒15・30・45や18・36・54とし修積を増やす)
保証期間の再確認
・管理会社やコンサル会社を含め発注形態の検証
管理会社の技術部門の能力検証
施工業者の能力検証
(実施能力だけでなくコンサル・設計・管理能力を有し一元化しコストダウンが可能か等)
マンション管理士に委託している場合、実務経験があるか・有資格者(建築士・施工管理技士)か・コンサル範囲は実務上適切か等の検討を行い「助言・アドバイス」範囲にとどめる。
フィーの適正検証(能力・資格・実務関与状況他)
・管理組合への適正なアドバイス及び専門委員会・理事会のバックサポート
(例:8,000円~24,000円/2時間/一回 参加要請は組合主体で双方話し合いによる)
コンサルや設計監理・施工管理はマンション管理士として利益相反を考慮し断っています。
以上、概要です。現状4億6千万の給排水設備改修工事、その他耐震工事・屋上防水工事の組合側コンサルや大規模修繕工事に関する種々相談を受けたり、メンテナンス工事の適正(使用・報告・金額)等の相談やハード面のトラブルア(特に専有部漏水・異音等)ドバイスをしております。上記はその中での一例です。
今回の質疑を逸脱した面が多いと思いますが、ご参考下さい。